【SWITCH達人達】北川悦吏子×Ayase 痛かった時代~高視聴率の裏の苦悩~クリエイティブと商業 を語る

 

SWITCHインタビュー達人達 12月18日(土)午後10時~10時50分 再放送12月25日午前0時

(NHK Eテレ毎週土曜午後10時~午後10時50分、再放送毎週土曜午前0時(金曜深夜))

脚本家北川悦吏子さんと音楽ユニットYOASOBIのコンポーザーAyaseさんが出演し対談されました

 

北川悦吏子さんのインタビューにスィッチしてお伝えします

 

北川悦吏子さんは30年間テレビの第一線で活躍された脚本家です

 

北川悦吏子さんは数年前左耳を失調して聴力を失いました

失調してしばらく音楽を聴かなかったそうですが、

YOASOBIという音楽に出会い

自分にヒットして、Ayaseさんが

どんなことを考えながら、どういう雰囲気の人なのか会ってみたいな

とAyaseさんにラブコールし対談が実現しました

 

北川悦吏子さんからのラブコールにAyaseさんは

「とんでもない人にご指名いただいたんだなということを知ってびっくりしました」

「真摯に素直に答えていけたらいいなと思っています」

とのことでした

 

対談場所は北川悦吏子さんの熱海の仕事場で行われました

北川悦吏子さんとAyaseさんの対談の中から

痛かった時代~高視聴率の裏の苦悩~クリエイティブと商業 

のパートをお伝えします

 

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【SWITCH達人達】北川悦吏子×Ayase 痛かった時代語る

 

1961年岐阜県生まれ

ミュージシャン小田和正に憧れ上京

小田和正の母校早稲田大学に進学

卒業後は広告代理店を経て

ドラマや映画を制作する会社に就職し脚本家を志す

 

Vol.287「痛み」の先に

 

この時の北川悦吏子さんは20代でAyaseさんと同じ年代です

 

Ayaseさんから「僕は今27歳で北川さんが27歳の時どんな感じだったのか」を聞きます

 

脚本家になりたくて、でもなれない痛かった時代

 

北川悦吏子さんはテレビ会社の制作会社にいて脚本家になりたくて、なれなくて

Ayaseさんがバンドをやってた9年間みたいな時代だったそうで

 

すごい「痛かった」「痛い存在でした」

と言われます

 

作家としてデビューしたての頃の打ち合わせでは

北川悦吏子さんの本を読みながらいろいろと言われ

最後にやっぱりこの本ダメだねって言われて

「お帰りはあちら」って言われたこともあって

 

友達に泣きながら電話して

作家志望の女の子の家に今から行っていい?って言ったことを

今でも覚えているそうです

 

何とか自分をしたかった

 

Ayase そういう辛いことの方が記憶として鮮明に残りますよね

ほんとにそれは本気だった訳だし

北川  何とかしたかった

Ayase そうですよね

北川  何とか自分をしたかった

Ayase うん うん うん

Ayase 「当時としてはそういう形で脚本家になられるっていうのが主流だっんですか」

 

北川悦吏子さんは、当時制作会社にいたので局のプロデューサーがチャンスをくれれば

デビューしていけるかなというのが若干あった

業界には女性がまだ少なく、テレビを見るのは若い女の子という時代だったので、

女の人が書くといいのかなみたいなこともあって

と言ったところで

いや~な感じだね 今ほんと

 

プライベートを犠牲にしていた

 

北川悦吏子さんは自分では感じてない感じで、

ニコニコするのはタダじゃんって思ってやっていた

でもちょっとずつ心は折れていってたのかって思う

と言われました

 

才能という意味ではすごくあがいてた

どうやったら出ていけるかなと

 

第一優先が仕事だったからプライベートを犠牲にする

友達とか彼氏とかっていう時代でしたね

と言われました

仲良かった友達の結婚式をドタキャンしたこともあるそう

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【SWITCH達人達】北川悦吏子×Ayase 高視聴率の裏の苦悩語る

 

北川悦吏子さんはチャンスを掴んで30歳で連続ドラマデビューを果たします

 

自らの経験を掘り起こして脚本に反映させる

 

北川悦吏子さんは自らの経験を徹底的に掘り起こし

脚本に反映させることで

斬新なシーンを次々と生み出していきました

 

ロングバケーション(1996年)もそのひとつということで

画面には主演の2人(木村拓哉、山口智子)が

アパートの上階の窓からゴムボールを落とし、

バウンドして上がってきたボールを掴む

というシーンが流れました

 

これはお兄さんと遊んだ幸せな記憶から生まれたシーン

とのことでした

 

ラブストーリーの神様

 

北川悦吏子さんは大胆な設定からこうしたリアリティを交えたスタイルで

新し恋愛物語を確立し

ラブストーリーの神様と呼ばれヒット作を連発していきました

 

最高視聴率
                    

素顔のままで           92年 31.9%

あすなろ白書           93年 31.9%

愛していると言ってくれ      95年 28.1%

ロングバケーション        96年 36.7%

beautiful Life~ふたりでいた日々 00年 41.3%

 

高視聴率の裏の苦悩

 

Ayase 北川さんの実際に作られた作品でだったりとか、圧倒的な視聴率というのが

大ヒット作として名作として世に出ているものですけど

何かそこは作られる時意識されたりとか

 

の問いに対して北川悦吏子さんは

 

まだ視聴率勝負の時代で「ヒットして与たり前みたいに言われて苦しかった

 

ロングバケーションという作品があってあれがものすごく愛されてヒットして

その後はそれを越えられるかと思い苦しんだ時期が2~3年あった

 

これが下世話な言葉でいうと、当たるか当たらないかは

ふたを開けてみないと分からない

自分の中でそこは調整してるつもりなんだけど

うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあり

 

逆にこれはすごい個人的な話だけれども、

1回でいいからこういうの書きたいみたいにやったら

当たったりということもあるし、

なんかわかんないよね

とのことでした

 

AIでは分からない

 

Ayase 僕もほんとにそれでいうと正解は分かっていないし

こういう道順でやれば絶対に売れるみたいなものがあったら

分かっちゃえばみんな売れると思うので

 

北川 そうだよね 結局そうだと思って

それが分かんないのがクリエイティブという分野じゃないのかなって

AIじゃきっと分からないだろうなと信じている

Ayase そうだと思います

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【SWITCH達人達】北川悦吏子×Ayase クリエイティブと商業語る

 

クリエイティブと商業

 

Ayaseさんは

アートや芸術、音楽や物語など

自分の中から出てきているクリエイティブをひとつ商業という場所で

戦うものとして作品を生み出すというのは

一瞬分からなくなる時がある

 

どこにウエイトを置いてやったらいいのかとか考えてる時点で

自分のクリエイティブが死んじゃってるんじゃないかとか

と言われます

 

何人かの人が喜んでくれたらそれでいい

 

北川悦吏子さんは

制作発表とかで一人でも多くの人に見てもらってって言われるが

なんで一人でも多くなきゃいけないんだろうって思ったそうで

私 一人でも多くなくていいなと

何人かの人が喜んでくれたらそれでよくない?とか

無理やりあなたもあなたもこれ聴いていいでしょとか

これ見ていいでしょって言わなくてよいのでは?

と言われます

 

この話にAyaseさんは

なるほど

確かに 確かに

 

Ayaseの楽曲との向き合い方のマインド

 

Ayaseさんは

僕ももちろんたくさんの人に届いてほしい、

ヒットしてくれた方が嬉しいと言われ

 

Ayaseさんの楽曲との向き合い方のマインドがあって

 

自分自身がすごくかっこいいと思えるものがまずある

YOASOBIにおいては、パートナーのikuraがこれいいと思ってくれる

そこに対しての1があって

この感覚が音楽のライブと近いと思っている

と言われます

 

300人に向けて届かせようとしても届かない

 

Ayaseさんは

大きな会場であったりとか、小さくても200人、300人入っている時に

300人に向けて届かせようとしても届かない

と言われます

 

目の前の人に届けることで会場全体が盛り上がってく

 

目の前の人に届けてることが

それを受け取ったその人の反応がどんどん後ろに伝わっていって

その会場全体が盛り上がっていくっていうのと同じものを

 

音楽をリリースしたりする時でも

同じような波及の仕方をしていって欲しいっていうのが

すごくあると語りました

 

北川 口コミってまさにそういうことですよね

Ayase あっそうですね、はい

 

一緒に作る人にまず喜んでもらいたい

 

北川悦吏子さんは一緒にやってるプロデューサー、役者さん

一緒に作る人にまず喜んでもらいたい

 

プロの集団だと思っているから、そこに素人は一人もいないわけだから

そこの水準をクリアしたい

 

私の書いたセリフを言うわけなので、そこに好意を持ってくれるか

このセリフ言いたいと思ってくれるかとか、

そういうことって多分大事だろうなと思っている

と言われます

 

そういう意味では視聴率気にしますかって言われたら

それに近い感覚までもうきました

とのことでした

 

自分が信じるものを書く

 

それはもうその時のものなので、

ロンバケがあるのは有難いと思っているし

 

その時に書けるものを書くことが自分が生きることなので

ぶっちゃけヒットしようがヒットしまいが自分のスタンスは変わらない

 

一生懸命、次にきた仕事をやるだけっていうのを30年続けてきたと語りました

 

そして北川悦吏子さんはその時の視聴率と

20年たった後人がどれだけあれが好きだったっていうのは

また別もの

数字とってたドラマすごいあるんだけど、あれは今だに好きっていう人いるなとか

何が残ってるかわかんないし、

あらゆる指標、数字とかいいんじゃないかな

自分が信じるものを書いてあとはもう仕方がない

と語りました

出典元:NHKEテレSWITCHインタビュー達人達 12月18日放送 北川悦吏子×Ayaseより

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北川悦吏子さんの熱海の仕事場に伺ったAyaseさんは

人生初熱海ということでベランダからの絶景を見て

「わーお!すごい!これはいい景色!

僕は山口県の田舎っ子なんで落ち着きますね。こういう自然に囲まれてる場所」

と感嘆していました

 

北川悦吏子さんの高視聴率をとったドラマは当時とても流行ったドラマばかりです

私も毎週楽しみに見ていました。

その中でもやっぱりロングバケーションは好きで、今も心に残っています

 

でもこれらの高視聴率のドラマの裏では北川悦吏子さんが作品を作ることと

その作品に視聴率という数字をつけられることに

苦悩されたのではないかなと思いました

 

そんな苦悩する大変な時代を経て30年書き続けた今は

 

あらゆる指標、数字とかいいんじゃないかな

自分が信じるものを書いてあとはもう仕方がない

 

という在り方に行きついたのかなと思いました

 

何もないところからクリエイティブな作品を

生み出し続けている北川悦吏子さんとAyaseさん

のクリエイティブと商業の話はとても

興味深く聴かせていただきました

 

北川悦吏子さんとAyaseさんのこれからの作品もとても楽しみです

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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