【SWITCH達人達】松重豊 植野広生に大学時代~葛藤の先に見つけたものを語る

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SWITCHインタビュー達人達 11月27日(土)午後10時~10時50分 再放送12月4日午前0時

(NHK Eテレ毎週土曜午後10時~午後10時50分、再放送毎週土曜午前0時(金曜深夜))

俳優松重豊さんと食の雑誌編集長植野広生さんが出演し対談されました

松重豊さんと植野広生さんの対談の中から

松重豊さんが語った大学時代~葛藤の先に見つけたもののパートをお届けします

 

場所は神奈川県横浜市の緑山スタジオで、松重豊さんが植野広生さんに

料理人の格好で来てほしいとのリクエストがあり

植野広生さんはコックの格好で松重豊さんに会いに行きます

 

植野広生さんが松重豊さんに会いたいとラブコールを送ったそうで

 

その理由は

シンプルに役者としてすごく好き

「孤独のグルメ」とか食をテーマにしたドラマ、映画に出演していらっしやること

そこで役者としての考えだったり、食に対する思いが本当に独特なので

ぜひお話したいと思いまして

ということでした

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【SWITCH達人達】松重豊 植野広生に大学時代を語る

 

1982年に福岡から19歳で上京

東京下北沢の町を拠点に大学で演劇学を学びながら俳優を目指した

 

大学時代は眠亭でバイト

 

松重豊さんは大学時代に下北沢の眠亭でバイトをしていたそうです

松重豊さん「大学入ってお芝居始めたので食うに困るという生活で(芝居)を続けてた」

下北沢の眠亭では芝居がある時は休ませてくれるので、

そういう意味ではバンドマンか役者しかいなかった

松重豊さん「そこで僕の体のそれから以降の80%くらいは

中華でできたんじゃないかっていうくらい、あの頃中華づけでしたねぇ」

 

 

植野広生さんと松重豊さんは同学年

(植野広生1962年生まれ 松重豊1963年生まれ)

 

植野広生さんから同じ頃に下北沢の

本多劇場の中にあったコーヒー屋でバイトしてたと聞き

松重豊さん「 え~~!」

植野広生さん 「お昼よく眠亭に食べに行ってたんですよ」

松重豊さん 「じゃあ 会ってますよ」

植野広生さん 「もしかしたら会ってるかもしれないんですよ」

 

 


眠亭

 


本多劇場

 

松重豊さん「態度の悪いバイトですよ 俺は」

植野広生さん「態度の悪いバイト何人かいたんでよくわからないんですけど」

 

役者を選んだ理由

 

当時下北沢は劇場やライブハウスが集まり表現を志す若者たちの熱気が渦巻いていた

 

植野広生さんが松重豊さんに役者、表現者という道を選んだのはなぜかを問うと

松重豊さんは仕方がなくと言われます

 

松重豊さんは、ミュージシャンが女にもてるしかっこいいし、

絶対そっちがいいよって思ってたけれど

楽器は弾けない、歌はへただで、そんな役者として何かをやり遂げたい

とかその頃思った訳ではないと語り、

当時小劇場、アングラ演劇っていうお芝居を見て、ある意味ロックだったり、

パンクだったり既成概念をぶち壊すっていうエネルギーを排出していた、

そういうものが自分の中でも憧れとしてあったと語りました

 

松重豊さん「音楽じゃなく演劇っていうものに置き換えられると思って、

芝居というパイ拾ってそこからずっと今に至る感じではあるんですけどね」

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【SWITCH達人達】松重豊 植野広生に葛藤の先に見つけたものを語る

 

1992年 映画「地獄の警備員

松重が初共演した映画、当時29歳、サイコホラー作品で連続殺人犯を演じた

190cm近い長身を活かし独特の存在感を放った松重

この作品を機に映像の仕事が舞い込み始めた

 

 

2007年NHK連続テレビ小説 「ちりとてちん

その後順調に仕事が増え、40代では朝ドラにも出演。生活も安定した

しかし内面ではこれが自分のやりたかった表現なのか、葛藤があったという

 

40歳で壁にぶち当たる

 

松重豊さんは何がしたいか聞かれたとき、

ロックの場合はロックがしたいと言うけれど、

役者の場合何がしたいかと言われて、

それはロックみたいなものだよって言っても

善良な父親にロックを持ち込んでもしようがないと言われます

 

松重豊さん「自分の表現を突き詰めることとは真逆の表現方法なんだなっていうことに

多分40歳ぐらいに壁としてぶち当たると思うんですけどね」

音楽をやるということとは対極ということがのちのち分かり

失敗したなと思ったとのこと。

 

小説『空洞のなかみ』より

 

どうやってその葛藤を乗り越えたのか松重が見出した答えは去年書かれた小説に書かれている

 

 

(弥勒菩薩の像 廣隆寺所蔵)

pic.twitter.com/2ZCBlqmukX

 

 

40代の頃の松重豊さんを投影した俳優が主人公です

俳優は葛藤のさ中、暇つぶしに訪れた寺で仏像を見ていると、老人からこんな言葉をかけられる

 

「あそこの菩薩さんなぁ、中、空っぽですんや」※中略

「お兄さんのお仕事もそないなもんですやろ。」

 

いろんな役をやらはって、容れもんの中に入れたり出したり」

空洞のなかみ 松重豊著より

 

植野広生さん 「空洞のなかみという本を拝読してすごいおもしろい」

 

葛藤の先に自然に自分の中で見つけることができた

 

松重豊さんは今後どう取り組んでいけばいいかっていうことに、

自分なりに悩んで悩んで突き詰めて考えていって、

そうやって自然に自分の中で見つけることができた

役を作るうえでそんなに何かにこだわる必要はない

ということを見つけたようでした。

 

何者にでも染まる器になる

 

松重豊さんは、

今後俳優として何かやるべき事は何ですかってそんな

別にこだわらなくていいんじゃないの?

っていう答えを何となく頂けた

 

禅寺にお話を聞きに行くようになって

あっそうか、何もない時間っていうのはすごく大事だな

と思うようになってそれ以降ですね

それだったら

何者にでも染まる器になるっていうことの方がいいんじゃないかって

と語ります

 

器としていることが俳優として一番居心地がいい

 

植野広生さん 「空洞にしておいてそこに何でも入れるようにしておくと言われたが

空洞というのは何にもないピュアな平地のようなものではなくて

松重さんの器があるからこそ、そこにこう入れられるってことですよね」

 

松重豊さんは器というのは中に何も入ってないにしろ、

かつて何かが入っていた痕跡というのが絶対残っているはず、

それによって器の大きさなり器の強度っていうのが多分変わってきていると思う

 

かつてあったものの痕跡、においだとか色とかが残ってて、

空っぽにしたはずなんだけどついつい出ちゃってるものというのは

空洞の中には仕方がない表現として出てしまう、

まあそれはそれで有りかなと思うし

そういう器としていることが

俳優として一番居心地がいいんじゃないかなと思うんですよね

と語りました

 

予定調和にならないことが一番

 

植野広生さん 「認識が変わったことで仕事も変わったという感じなんですか」

松重豊さん  「楽になりましたね 思い詰めることがないですから」

 

松重豊さんは

こうやってコック服とか中華料理屋さんの扮装をする、

その時にその中身の僕の中の容れ物にもコックのあるものが入って

スタジオに呼ばれた時には、

中華のおやじさんだよって言う感じで切り替われる

と語ります

 

松重豊さんは役作りは基本的にしないそうです

 

松重豊さん「例えばコックさんでも最高のズッキーニとなすを使って

最高の料理を作るんだって言っても

いや今日全然いいのがないんですよって言われたら

えー?って言ってじゃできねえよって言って帰るタイプの役者か

 

あっだったらキューリでいいですよ

似たようなもんじゃないですかって

そういうことでやっちゃうってことの方が僕は面白い

 

そういうことにハプニング常に感じておくっていうことが

予定調和にならないということが一番

出てきたものを感じればいいんだと思えるようになった

ってことですかね」

出典元:NHKEテレ SWITCHインタビュー達人達 11月27日放送 松重豊×植野広生より

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松重豊さんと植野広生さんとの大学時代の話には驚きましたね

人と人のつながりの不思議さを感じさせられるようでした

大学時代にお二人きっと会ってますよね。

だから今また再会したのかなと思います

 

松重豊さんが書かれた小説空洞のなかみの抜粋が出ていましたけど

老人から言われた言葉はなかなか深いものがありますよね

おもしろそうな本だと思いました

 

松重豊さんが役者として葛藤し自然に自分の中で見つけることができた

と言われましたが素晴らしいですね。

 

葛藤の先に

自分は空洞で何ものにでも染まる器でいることが役者として一番居心地がいい

ということを見つけたのだなと思いました

悟りのような言葉に聞こえました

 

またハプニング常に感じておくっていうことが予定調和にならないということが一番

出てきたものを感じればいいんだと思えるようになった

と言われた言葉も心に残りました。

小説空洞のなかみを読んでみたくなりました

 

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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